柔術体験記

7年ぶりくらいに柔術をするために、とある柔術道場にお世話になった。私のスペックは、マスター7紫、ライトフェザー級である。このカテゴリーはかなり弱いレベルでアダルト青に及ばないと思う。50歳で始めて、それなりに練習して、シニアの大会で成果を出せば、60歳で紫には余裕でなれる。それが柔術のシステムの良い所ではあるが。若い頃に取ってブランクがあることもあるが、その場合はもう衰えているだろう。私がそこまで弱いかというと、もう少しましと思う。10年前には年下の黒帯達と(紫のルールでは)互角だったから。自身はアダルトでは青が適正なレベルと認識している。紫に昇格したのは 52歳だった。それまで白で青は経験していない。そもそも柔道家なので柔術の帯には関心が無い。それ以前に柔道も白帯だ。寝技のレベルを落とさないために柔術の練習に参加していた。柔術の技術を学ぶ気も碌に無い。代表から昇格の申し出はあったが、実績もないのに昇格するのはモラル上どうなのかとお断りしていた。試合で優勝てからお受けしますと答えたのだが、いまさら白や青での出場は認められないと言う。マスター5ならともかく、アダルトなら構わないと思うのだが。代表が白帯と互角にスパーをしているのは立場が無いと言われて帯をいただくことにした。茶を提案されていたけど、足関は嫌と言って紫で納得してもらった。多分、黒を認定できる権限があったら、黒を提案されたと思う。道場内では対等の実力ありと勝手に見なして足関を仕掛ける上級者もいたので、あまり意味はなかった。

今回お世話になった道場では意外にもほとんど白か青だった。指導者2名が黒、会員は紫1名、他は白または青といったところか。大手のイメージだが、それでも続ける人は案外少ないのか。この状況で紫は目立ってしまう。一般的なイメージでは紫以上が上級者である。現実には昇格ペースが追い付かないほど成長している若い青帯もいる。白帯やシニア青帯で相手をしていただいた方々は紫と言うだけで恐縮しているようにも感じられた。

柔術の多様なガード技術を体験するのが今回の目的だった。スパーリング相手は体力のある若者より、技術力の高い紫以上のシニアが良い。しかし、参加者の年齢は様々だが紫はいない。最初に白帯の若い方からスパーを求められた。ほとんど無抵抗であった。柔術は抑え込んだままでは反則になり、攻め続ける必要があるので意外と疲労する。無駄にマウントを取るために縦四に変化したり、腕を縛って横三角で絞めたり、腕絡みを取ったり、柔道では不要な動きを続けた。私には練習にならなかったが、彼の役には立てただろうか。次は青帯で余っている方にお願いした。スパー開始時点で舐められていると感じたし、迷惑に思われたかもしれない。アダルト青からすれば黒以外のじじいは雑魚と見られて当然である。私のトップから始めてもらった。ハーフガードというよりあっさり横につかせてくれた。簡単にスイープできると思ったか。返らずにそのまま抑え込みになってしまう。抑えも簡単に返せると思ったようだが果たせず、変化しているうちに正対に戻る。この辺でようやくスイッチが入ったようだ。このままではプライドが許さんだろう。前三角か十字を狙って右腕をぐいぐい引きつけようとする。狙いは見え見えだけど力は強い。道場内では通用しているだろう。盤石のコンバットベースを築き、脇を締め、左肘で右足をブロックしているので、そんな単純な攻めは心配ない。膠着している間に相手の股を肘で制して反撃の基盤を作るが、その間にどんどん体力は削られていく。疲れで反撃が雑になって返され、最終的にはバックに着かれて時間。大学での乱取りと変わりない。息が上がっている所にアラフォーと思われる青帯の方から相手を求められた。2分あれば1本取れるくらいの実力差があった。最後にベースボールチョークで一発逆転を狙われた。まだ慣れていないようで何とか避けられたが危うかった。普段接しない技への課題を確認できたのが一番の収穫だったかもしれない。この方は練習後に挨拶に来てくれて、また練習できるのを期待してくれたようだけど、ビジターで参加しただけで次回があるかどうかは分からない。アダルトの青帯相手では体力差か技術差かシニアには分かりにくいので、シニア同士の方が良さそうだ。私もシニア上級者との練習を期待して参加した。特に今回はクローズド、デラヒーバ、スパイダーなど普段は接しないガードを体験したくて参加した。その点では目的は果たせなかった。